Zabbix基礎

1. ホスト(Host)とは?

ホストは、Zabbixで監視対象となるデバイスやシステムを指します。例えば、Webサーバー、データベースサーバー、ネットワークスイッチなどが「ホスト」に該当します。Zabbixに登録されたホストには、IPアドレスやホスト名などの情報が設定されており、監視対象として必要なデータを収集できるようにするために、エージェント(Zabbix Agent)やSNMPといった通信プロトコルを設定することが一般的です。

Zabbixでは、ホストグループと呼ばれる集合体に区分したり、個別の監視設定を適用したりできるため、大規模なシステムの管理にも対応しています。

2. アイテム(Item)とは?

アイテムは、ホストから収集する具体的な監視データを定義するものです。例えば、CPUの使用率、メモリの使用量、ディスク容量、ネットワークのトラフィックといった情報が「アイテム」として扱われます。アイテムを設定することで、Zabbixはホストからこれらのパフォーマンスデータを収集し、データベースに記録します。

Zabbixでは、監視したい項目に対してアイテムを登録し、監視間隔や保存期間を指定できます。
監視間隔というのは対象のホストから何分間隔で監視を行うのかをアイテムで指定できます。

ヒストリとトレンドについて

ヒストリとはZabbixが収集したデータの「生データ」を保持する期間を設定するものです。履歴データは、グラフや詳細なレポート作成に使われるため、正確なデータが必要な項目に対しては長めに保持することが一般的です。

トレンドとは長期的な傾向を把握するために、日次の平均・最大・最小・総和データを保持する期間を指定する設定です。たとえば、履歴データの容量を節約しながら1年分のトレンドを保存する場合、アイテムの「トレンド保持期間」を365日と設定することで、毎日の集計データを1年間保存できます。

3. トリガー(Trigger)とは?

トリガーは、収集したデータに基づいて条件が満たされた場合にアラートを発生させる設定です。つまり、異常や障害の発生を検知するためのルールを定義するのがトリガーです。たとえば、「CPU使用率が80%を超えた場合」「ディスク容量が90%を超えた場合」といった条件をトリガーとして設定できます。

トリガーは「OK(正常)」「PROBLEM(異常)」の2つの状態を持ち、設定された条件を満たした際に「PROBLEM」となり、アラートが発生します。逆に、条件が解除されると「OK」に戻り、異常が解消されます。Zabbixはトリガーの状態を監視することで、システムの状態が健全かどうかを判断し、異常があれば通知を行います。

まとめ

  • ホスト:監視対象のデバイスやサーバー
  • アイテム:ホストから収集する監視データの種類
  • トリガー:設定した条件に基づき、異常を検知するためのルール