【AWS】SES (Simple Email Service) を使用する際の使用制限や本番運用での注意点

AWS SES (Simple Email Service) は、スケーラブルでコスト効率の高いメール送信サービスです。しかし、AWS SESを利用するにあたってはいくつかの使用制限や本番運用での注意点があります。

使用制限

・送信制限
SESには、送信できるメールの量に制限があります。AWSアカウントが「サンドボックス」状態の場合、1日あたりの送信上限は200通、1秒あたりの送信上限は1通です。この制限を超える場合は、制限を引き上げるリクエストをAWSサポートに行う必要があります。商用利用を考えている場合は、アカウントを「サンドボックス」から「プロダクション」に移行することを忘れないようにしましょう。
初期でSESを使用する場合、必ず「サンドボックス」状態なので移行を忘れずに。
サンドボックスとは、外部に影響を与えない閉じられた環境のことで、SESを作成した時点では悪用を防ぐために、初期の段階でサンドボックスの中に置かれます。

・受信制限
SESで受信するメールにも制限があります。特に、受信メールの保存や転送に関する制限に注意が必要です。受信したメールは一定期間内に削除されるため、必要なメールは適切に保存する仕組みを設けることが大切です。

・バウンスと苦情の制限
バウンス率や苦情率が高い場合、アカウントが制限されることがあります。SESを運用する際は、バウンスや苦情を監視し、適切な対策を講じることが重要です。例えば、バウンスが発生したメールアドレスをリストから削除することが求められます。

■本番運用の注意点

・ドメインの認証
メールが正当なものであることを証明するために、SPF (Sender Policy Framework) や DKIM (DomainKeys Identified Mail) を設定しましょう。これにより、スパムフィルターに引っかかるリスクを減少させることができます。

・モニタリングとログ管理
SESの使用状況や配信状況をCloudWatchでモニタリングし、ログを確認することで、問題が発生した場合に迅速に対応できます。定期的にログをチェックし、異常がないか確認する習慣を持ちましょう。

・バウンスと苦情の処理
バウンスや苦情を適切に処理するための仕組みを構築します。特に、バウンスが発生したメールアドレスをリストから削除するなどの対応が必要です。また、苦情が多発する場合は、メールコンテンツや送信先リストの見直しが求められます。

・メールコンテンツの最適化
スパムフィルターに引っかからないよう、メールのコンテンツを適切に設計します。特に、件名や本文の内容、リンクの使用に注意し、受信者が興味を持つ情報を提供することが重要です。

・レート制限の考慮
大量のメールを一度に送信する際には、AWS SESのレート制限に従い、適切な間隔を空けて送信することが大切です。これにより、送信失敗やアカウント制限を避けることができます